共通テストに関して、採点業務をべネッセの下請け会社が落札したことはすでに知られています。記述式解答の、50万人分を採点するには、それはもう人手が必要ーー。
なのは周知の事実ですが、このたび、文科省がそのベネッセコーポレーションに対して「厳重に抗議し、是正を促す」ことを明らかにしたそうです。
何が問題かというと、下記の記事です。
ベネッセが高校向けに配布した資料に、共通テストに向けた記述式の採点基準の作成などで助言事業を請け負っている旨の記載があり、
模擬試験や対策講座などのほかの営業活動に利用した疑いがあるという。
関係者によると、資料はベネッセが17年、首都圏約250の高校、約300人の教員を対象に大学入試改革に伴う自社サービスなどについて説明した会合で配られたという。
(2019年11月20日 朝日新聞デジタル より)
平たく言うと、
「うちは、採点基準を作るにあたってアドバイスしていますよ〜」
ということを、高校向けに宣伝したーー。?
これは自社の営業に、共通試験の採点に選ばれていることを利用していることになるので、文科省から見ると、ベネッセはケシカラン!
という話でしょう。
まあ当然というか、立場を利用してはいけないでしょう。
しかし一方で、試験の採点を民間に委託するという仕組みを作ったこと自体、あるいは、相応の手続きを取ったにせよ、多数の企業の中から落札という形式ながらベネッセが採用されたということ自体に、
そもそもの文科省の責任がある・・とも考えられます。
世論も単純にベネッセけしからん!というものではないようです。
たとえば、上記の記事についてはこんなコメントがあります。
(中略)こうした営業活動は民間企業では当然のことですが、一方で公的な大学入試の採点という点では中立性・公平性を大きく損ねています。
大学入試の採点や作問に民間企業、それも教育事業を展開する企業が参入する場合、多くの疑念が持たれます。その疑念を晴らすことが難しいため、大手予備校によっては作問・採点事業に参入していません。
先月から共通テストについては強い批判を受けていますが、この営業活動の件はさらに疑念を招くこととなりました。(記名コメント 石渡嶺司氏より)
そして、匿名コメントからは・・
そもそもベネッセに決めたのはどちらの省庁ですか。
自分達の非は認めず、民間ばかりに責任を押しつけていますね。 そもそも英語テストもその他のテストも、民間導入を決める時点で色々な問題点は分かっていたと思います。
一般感覚として代表的な言葉かもしれません。
ベネッセについては、過去の進研ゼミの「個人情報流出事件」を思い浮かべる方も多いかも。金券の500円を巡っても、あれやこれやと炎上も起きました。
しかし、ベネッセかどうかという問題でなく、民間の教育産業企業が関わる限り、このテーマは続きそうです。関わることを、安易に全否定することもできないのですが・・
まったく個人的な感想ですが、そういえばかつて進研ゼミの情報漏えいトラブルがあったことを今、思い出しましたが、常時そういうことを考えるわけではありません。要は忘れるのでしょう。(私だけかもしれませんが・・)
上記の引用元はhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191120-00000071-asahi-soci
この件については翌日に、各新聞とも報道し、事実関係の微妙な異論も含めて、どちらかと言うと文科省への批判が目立っています。
また、ベネッセ側の言い分として、以下の内容も紹介されています。
また、17年の話に出てくる業務をベネッセコーポレーションが受託したのは16年であり、ベネッセHDの子会社である「学力評価研究機構」が19年9月に受託した、共通テストの記述式の採点業務とは、全く異なる契約だとも説明。
16年の業務委託契約では、「当該業務を受託する事実を利用して取引を誘引してはならない旨の条項」はなかった、ともしている。
(引用元 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191121-00000015-jct-soci&p=2)
大学入試共通テストについてはご存知のようにまだまだ、変動の途中です。