大学入学共通テストにおける英語民間試験の導入が延期されました。
各種の報道で示されていますが、大学入学共通テストに導入される予定だった英語の民間検定試験について、萩生田光一文部科学相は2019年11月1日、令和6年度をめどに、実施を延期すると発表しました。
民間試験をめぐっては、これまでも高校現場からも批判の声が上がり、さらに野党ばかりでなく与党内でも延期論が出ていました。
萩生田氏がテレビで「身の丈に合わせて頑張って」と発言したことから、批判が噴出していました。
もともと民間試験導入に関わる様々な問題点は存在したけれど、たまたまのように文部科学大臣が身の丈云々とコメントしたことで、元々あった批判の火に、油を注いだかの状況です。
萩生田氏がテレビで「身の丈に合わせて頑張って」と発言したことも影響したとみられる。
萩生田氏は会見で、「現時点で自信をもって受験生に提供できるシステムになってない」と決定の理由を語った。
(11月1日 産経新聞)
それにしても、萩生田氏の身の丈発言がいわば炎上し、「身の丈受験」なる言葉が流れ・・
あれよあれよと、いきなりの延期という展開には、流石に驚きました。
政府与党にとっては、大臣が二人連続して辞任した直後のことでもあり、これ以上の批判の嵐を避けたかったという見方もあるようです。
11月1日はまさに共通IDの申込みの始まるタイミングでした。
11月4日現在、大学入試センターのトップページには以下のような文言が掲載されています。
大学入試英語成績提供システムの導入見送り及び「共通ID発行申込み」の中止について
〇 11月1日に文部科学大臣から、令和3年度大学入学者選抜から導入予定であった英語民間試験活用のための
「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送るとの発表がありました。
文部科学省ホームページ 「大臣メッセージ(英語民間試験について)」〇 これを受け、大学入試センターでは、11月1日より予定していた「共通ID発行申込み」を中止いたします。
関係者の皆様におかれましては、ご迷惑をおかけすることとなりお詫びいたします。
大学入試センターの職員にとっても寝耳に水という話。ある意味、担当の方もお気の毒な気がします。
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それにしても、受験生の皆さんには、延期が決まったことだけはまだ良かったかもしれません。現在の高校3年生も2年生も、それぞれの立場でデメリットがありますが、なんとか冷静に対処されることを願わざるをえません。